フォックスキャッチャー
95点
大金持ちのデュポンが、アメリカのレスリングを強くしたいとマーク・シュルツに声をかける。 そこにはレスリングをする最適な環境と支援が。
マークは、偉大な兄デイヴ・シュルツがあっての自分への評価だと思っていた。
そしてマーク自身も親のいなかった二人兄弟の為、兄を父としても慕っていた。
レスリングを強くしたいデュポンからの重圧に押しつぶされそうになるマーク・・・
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少しネタバレがあるかもしれません!
まだ見てない人は、今すぐ映画館へ!
実話なんで調べたら出てくるのでネタバレかどうかは怪しいですが
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出演は 「ラブ・アゲイン」「40歳の童貞男」のスティーヴ・カレル、
「GIジョー」「君への誓い」のチャニング・テイタム、
「はじまりのうた」「アベンジャーズ」のマーク・ラファロ
まずは監督ベネット・ミラーから
過去二作品はともに実在の人物の話。
特に「マネーボール」は野球好きなら好きになる映画だと思います。
今回の作品も実話。しかし、今までよりも重く不気味な仕上がり。
この監督は、実話を映画化にするのが上手すぎる。
これからの作品も期待できる本作です。
今回は、偉大な兄の弟マーク・シュルツを演じました。
正直ここまで演技が上手いと思いませんでした。ただの筋肉バカかと思ってましたよ。
本作では、不安そうで頼りない弟を完璧に演じていました。
しかし、今まで以上に本作ではゴリラっぽいです!
それ以外は、本当に彼を見直しました。
偉大な兄デイブ・シュルツを演じました。
さすがアカデミー賞助演男優賞ノミネートですね。
チームメイト、デュボンからも絶大な評価と弟思いの優しい兄貴、家族思いの優しいお父さん。
完璧なデイブをマークが完璧に演じましたね。
作品の中でもデイブが支えとなっていることは間違いないと思います。
余談ですがマーク・ラファロ演じるデイブが、チャニング・テイタム演じるマークを呼ぶシーンで「マーク、大丈夫だよ」とか、「マーク、お前なら勝てる!」とかある度に「お前がマークだよ!」って突っ込みたくなりますね。
マーク自身も変な気持ちだったでしょう。
最後にスティーヴ・カレル
上記の二人は本当に間違いなく凄い良い演技でした!それぞれの出演作品の中でもトップクラスの個性が出ていたと思います!
ですが、それ以上の演技をしたのがスティーヴ・カレル。
コメディ俳優だと思っていた僕は、尋常じゃないギャップに驚きを隠せません。
こんなシリアスで重厚感のある演技ができたなんて・・・
実際に似せるための付け鼻も演技をよりいつもの彼から遠ざけますが、
間が凄かった。
「・・・・・・good」
そりゃあの顔で、あの間で言われたら怖いよ。
マークもビビるよ。逃げたくなるよ。
今回この映画の評判が高いことは知っていたので、あまり内容については調べずに映画館で観てきました。
「なぜ大財閥の御曹司は、オリンピックの金メダリストを殺したのか?」
もちろんこの前提は知っていました。
これって結構狙ったキャッチコピーでしたね。
完全にやられちゃいましたよ。
主人公はどう考えてもマーク。
デュボンとも考えられるけど、基本マークが主体でしたよね。
マークは、金メダリスト。
だから、殺されるのはマークだとずっと思ってました。
デイブが殺されるまで。
デイブに銃突きつけた時でさえ、脅すだけなんだろうなーっと思ったら
普通に撃っちゃいましたよね。
急すぎて焦りますよね。
マークも金メダリストですけど、当然デイブも金メダリスト。
本当ずるいですよね。お前かよってなりますよね。
デイブが殺された理由は、
・フォックスキャッチャーのPV(?)的な撮影の時のデイブがデュポンをコーチとして、
師として崇めていないことを顕著に出してしまったから
・デュポン自身もチームのコーチが出来ていないということは理解しつつも、世間からはコーチとして最高のチームを作り上げたことにしたかったから
・最初に面倒を見ていたマークも、友達のような関係だと思って信頼していたが結局はデイブを信頼していたから
・デュポンの持っていなかった全てをデイブが持っていたから(友情、家族、兄弟)
こんな感じだと思いました。
実際はデュポンが知っているはずですが、亡くなっている為わからないですけどね
こんなにも完璧な演技をする作品に会えるなんてラッキーでした。
ただただ観に行ってほしい。何か賞を取って欲しい作品。